茅葺き古民家の見学会でしばらくの時間、来場者の前で話をさせていただいた。
おおまかは古民家の間取りや構造のことになるのだが、皆さんの目が輝いたのは当時の作り手、施主さんの想いを話したとき。
今のような裕福といえない時代に、子、孫、ひ孫の代まで使えるようにと考えて造られた。
自分たちは苦労しても、次の時代からの者達が楽に暮らせるようにと!
そんな想いで家を作った。
今、建築の打ち合わせでよく聞くのが「子どもたちは、これから好きなようにするから、私たちの30年ほど使えればいい」といった言葉。
使い捨ての家を作ろうと思って居るのだろうか?
聞いていると恥ずかしくなる。
そんな想いで物を造るから、誰もありがたく引き継ごうとしない。
施主の強い想い、家造りの熱意がないからか、魅力が内から出てくるような家が近頃、見当たらない 。
今、魂のこもってない建物が多いのは実は私たち建築に携わる者の意識が低いからだ!
施主といっても素人。
家造りを業とするものは、施主に対しほんとうに大切なこと、重要視することを教えてあげなくてはいけないと思う。